山本先生を偲んで

平成25年10月12日、小金井市居合道連盟初代会長山本昭太郎先生が享年85歳で他界されました。山本先生は居合道を40年以上の長き道を歩んでこられました。
先生は昭和51年5月、地域での居合道普及のため小金井市に当連盟を発足させ、居合道愛好者が集う礎石を築かれました。数名の会員でのスタートでしたが、これまで多くの会員を育て、中には海外の方の修行者も多く、多大な信頼を得てきました。
地域密着で活躍される中、何よりも小金井市居合道連盟のことを考え行動され、連盟発展にたゆまぬ努力をされてきました。平成28年に小金井市居合道連盟は創立40周年を迎えようとしていますが、その時を待たずに他界されましたことは残念でなりません。当居合道連盟にとっては大きな大黒柱を失ってしまいました。

山本先生と私の出会いは30年前になります。
先生の指導は基本を重んじ、手取り足とり教えて下さいました。また、師弟関係のあり方や武道の学び方など、居合道の技だけでなく、指導法を含め教えて頂きました。同時に、お世話になっている上部団体や体育協会、友好団体および毎週稽古場を提供してくれる第一小学校等への感謝の気持ちを忘れずにいることの大切さを日々の活動の中で示されました。
私は、清里合宿、小田原遠征稽古、中央居合道会活動、地方大会など入会間もないころから共に行動させていただきましたが、その中で先生の消防士時代の苦労話や若き頃の経験など思い出も多く語って下さいました。居合道には厳しくとも明るい先生と楽しく過ごした日々が思い出されます。
また、先生は書にも長けておられ、その書体に個性と愛情を感じたのは私だけではないと思います。
その実力から多方面から依頼を受け、多くの横断幕や賞状を見事に書かれる姿に、集中力の高さを感じられずにはいられませんでした。当連盟の大会のみならず都剣連主催の大会でも筆耕ではなくてはならない存在となっていました。

山本先生、30年間御一緒させていただき本当にありがとうございました。
晩年、私に自らよく研究するように言われた言葉を胸に刻み、会員一同これからも精進し、居合道を学んでいきたいと思います。どうぞ安らかにお休みください。そして小金井市居合道連盟活動を見守って頂ければと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。合掌

小金井市居合道連盟会長
教士七段　田苗俊和